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スクールウォーズ から学んだ 「熱」

『スクール☆ウォーズ』(School Wars)は、1984年10月6日 – 1985年4月6日に大映テレビ制作、TBSで放送されていた日本のテレビドラマである。正式名称は『スクール☆ウォーズ 〜泣き虫先生の7年戦争〜』。

大映テレビ取締役でプロデューサーでもある春日千春が、山下真司が演じた教師のモデルとなった山口良治の講演会をたまたまテレビで観た。当時、校内暴力が社会現象化しており、それを無くそうという意図でドラマを作ることを思い立ち、1週間で企画を書いてドラマ化に至った。

概説
京都市立伏見工業高等学校ラグビー部と同部監督で元日本代表フランカーの山口良治をモデルとして、作家・馬場信浩が執筆したノンフイクション『落ちこぼれ軍団の奇跡』を基に制作されたフィクションドラマ。高校ラグビー界において、全く無名の弱体チームが、ある一人の教師が赴任してから、わずか数年にして、全国優勝を果たすまでの軌跡をあますことなく描くことで、健全な生徒の育成に取り組もうとする教師と生徒の葛藤と成長を表現したドラマである。ドラマの舞台は神奈川県内の「川浜市」(神奈川県内にある政令指定都市川崎市と横浜市から取っている)という架空の市である(当時大映テレビは東京都府中市の中河原にスタジオを構えていたので、ロケは府中市・多摩市内が多かった)。また同校が、常に生徒の非行問題が絶えなかったというところもドラマの中のみのことである。
ドラマでは実際に優勝までに要した7年ではなく、5年で全国制覇を成し遂げている(卒業式の回数を参照)。
第1回の視聴率は6.9%と苦戦したが、その後徐々に視聴率を上げ、後半では20%を超えることもあった。
当時としては異例な、土曜日に最終回を迎え、日曜を挟んで月曜には再放送(関東地区)が始まったことからも本作の人気が窺える。

第8話 愛すればこそ

109対0という大差をつけられて相模一高に惨敗した川浜高校ラグビー部!試合終了後の控え室にて、賢治の涙交じりの声が響く。

賢治「お前たち、俺がどうして怒ってるのかまだわからんのか!試合に負けたからじゃない。どうでもいいやっていう、お前たちの心が許せんからだ」

田村(部員)「いい加減にしてくんねーかな」

光男「はーあ」

賢治「まじめに聞け!お前らがやったことは裏切りだ。いいか、早朝練習に出るお前たちのために、毎朝早く起きてご飯を作ってくれたお母さんたち、汚れたジャージを毎日毎日洗ってくれた山崎君、仕事を休んでまで応援に駆け付けてくれた人々、そういう陰で支えてくれた大勢の人々の信頼を、お前たちは手ひどく踏みにじったんだ。俺はそのことをいってるんだ」

賢治
「俺は他人を顧みない優等生よりも、お前らの方が好きだ。しかし今日のお前ら最低だ!それはラグビーをなめてるからだ。生きるってことをバカにしている。いま自分がやっていることをひたむきにやらないで、この短い人生でいったい何が出来ると思ってるんだ・・・よく考えて見ろ、相手も同じ高校生だ。同じ歳、同じ背丈、頭の中だってそう変わらんだろ!それが何で109対0なんて差がつくんだ。お前らゼロか、ゼロな人間なのか!いつ何をやるのもいい加減にして、一生ゼロのまんま終わるのか。それでいいのか、お前らそれでも男か!悔しくないのか!(絶叫)玉川!(絶叫)脇田!(絶叫)森田!(絶叫)』
森田『(額に青筋をたてて)悔しいです!今までは負けるのが当たり前だと思ってたけど、にやついて誤魔化したけど、いまは悔しいです!チキショー!(絶叫)』
(部員)『俺も・・・悔しいです!』
(部員たち)『クソォ・・・クソォ(泣)悔しい~』
賢治『悔しいのは誰でもそう思う。でも思うだけじゃダメだ。お前たちそれでどうしたいんだ、どうしたいんだ!』
森田『(立ち上がり)勝ちたいです!』
田村『相模一高に勝ちたいです!』
賢治『ちょっと待て。相模一高はたったいま109点も取られた相手だぞ!』
玉川『仇を取りたいんです!』
(部員)『一高がなんだってんだ!』
次々と部員が叫びながら立ち上がる。
賢治『しかしな、一高に勝つためには、並大抵の努力じゃ勝てないんだぞ!血ヘドを吐いて死ぬほどの練習をしなきゃならん!』
森田『はい、やります!』
賢治『誰も助けてくれるわけじゃない。どんなに苦しくても言い訳はきかないんだぞ!お前たちそれでも勝ちたいか!』
玉川『勝ちたいです!勝ちたいよぉ』
やります、お願いします、頑張ります・・・部員たちが次々と叫ぶ。

 これほどの熱情が、ひとりひとりに秘められていようとは。賢治の胸に感動が突き上げた。

賢治『よーし、よく言った。俺が必ず勝たせてやる!』
(部員たち)『先生・・・』
賢治
「そのために俺はこれからお前たちを殴る!いいか、殴られた痛みなど三日で消える。だがな、今日の悔しさだけは絶対に忘れるなよ!森田、頑張れよ!よし、歯を食いしばれ」
 後方のロッカーまで吹っ飛ぶ光男。だが目に涙を溜めながらすぐ起き上がり、賢治の顔を見つめる。脇田、玉川らを泣きながら殴る賢治。それは賢治にとって、生徒との絆をより深めたいという願いから発した行為であった。これは暴力ではない。もし、暴力だと呼ぶ者があれば、出るところへ出てもよい。賢治はそう思っていた。

 生徒たちは目覚めた。賢治が何ひとつ強制したわけではないのに、翌日から目の色を変えて猛練習を始めたのである