うちの法人には、業務専用車両(デイの送迎車、訪問専用車など)が
およそ全部で50台ある。
これを聞くと、単純に「すごい!うらやましい!」と思われる人が
いるかもしれないが、とんでもない話だ。
車両の維持管理のための保険や、燃料費、オイル交換、
タイヤ交換に係る費用、故障の修理・キズの修繕… などなど、
思いつくだけでも山のようにある。
御存知の通り、車を所有するというのは、購入費用もさることながら、
様々なランニングコストがかかる。
よって、当法人の車両に費やす経費は相当なものがあるわけだ。
そして、それだけではない。
車両台数が多ければ多いぶん、多くの職員がそれを運転する。
つまりは交通事故の発生率も高いと言わざるを得ない。
それを裏付けるように、今年も様々な事故や車両損傷が発生している。
人が存在する限り、事故は起きる。もちろんミスもする。
これは否定できない。
しかしながら、最小限起こさない、少しでも減らすための工夫は
組織としてするべきだ。
日々の利用者の送迎が欠かせないデイ。
複数の人を乗せ、ハンドルを握るのは、常にドライバーとして
慎重でなければならない。
在宅から在宅へ動く、訪問サービス。
時間から時間に小刻みに移動するとなれば、焦りやプレッシャーが
絶えず働くだろう。
このことを組織全体で職員に意識づけてもらうため、
数年前に委員会を設置した。
その名も「安全運転管理委員会」
不定期ながら、各通所事業所、訪問事業所代表者が集い、
交通事故の減少を目指し、車両管理の重要性や、様々な職員への
啓蒙活動を行なっている。
その1つが、職員を対象とした「交通安全講習会」だ。
毎年、安佐北警察署交通課のご協力で、講習会を開催している。
講習を通して、事故の悲惨さや実際に起こった事故の発生原因などに
ついて解説していただいている。
また終了後には、事業所セーフティードライブ表彰。
決められた一定期間の無事故無違反とともに、車両を安全にかつ
清潔に使ってくれた事業所職員一同に表彰を行なう。
運送業界ではよくある話だが、医療・介護業界では珍しいのではないか。
「金一封!」
とはさすがにいかないが、手作り表彰状とお菓子の詰め合わせは
結構喜ばれているみたいだ。
しかしながら、こうした講習会や委員会活動はまだまだ低調。
幅広く組織内に浸透しているとは言い難い。
来年はぜひ、わが介護部門の若手のひとり、
N君の力に期待するとしよう!
事故が多発しやすい師走…
我々も、さらにハンドルを慎重にしたいものだ。
車両を労わり、職員を労わり、
事故のない1年を締めくくってほしい。